最大のRCTが脳卒中後リハビリへのMIT-Manusロボットの効果を否定
Robot assisted training for the upper limb after stroke (RATULS): a multicentre randomised controlled trial
背景
脳卒中後の上肢機能低下にロボット支援訓練は有効か。英Newcastle UniversityのRodgersら(RATULS)は、初回脳卒中発生1週〜5年を経過した中等〜重度上肢機能制限患者770名を対象として、MIT-Manus robotic gymを用いたロボット支援訓練の有効性・安全性を検証するRCTを行った(対照:上肢の集中訓練または標準治療)。一次アウトカムは、3ヶ月でのAction Research Arm Test(ARAT)評価による上肢機能改善である。
結論
ロボット支援訓練の効果を認めなかった。重度有害事象は介入群で多く報告されたが、介入が原因ではなかった。
評価
既存の小規模45試験の2018 Cochraneレビューは、「一応有効でエビデンスの質も良いが、技法がまちまち」としていた(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30175845)。この試験は効果の最終証明を目指した本格的RCTだったが、失敗した。「製品・手法が未だ最適ではないのでは」という解釈がでうることは皮肉である。