軽い運動で脳量を保つ
Association of Accelerometer-Measured Light-Intensity Physical Activity With Brain Volume: The Framingham Heart Study
背景
身体活動(PA)で認知症リスクが下がるというデータが累積しているが、認知症予防に必要なPAは定量化されていない。Boston UniversityのSpartanoらは、Framingham Heart Study第3世代とその子コホート(n=2,354)を対象として、活動量計測定による1日の歩数(強度×時間)とMRI測定による脳容量の関連を検討する横断コホート研究を行なった。主要アウトカム・指標は、全脳容量およびその他のMRI加齢マーカーレベルの差である。
結論
低強度PAの増量は全脳容量の増加と関連し、低強度PAの追加1時間は1.1年の脳加齢抑止と関連した。またPAガイドラインに達しない人々では、低強度PAと1日7500歩以上の達成は、1.4〜2.2年の脳加齢抑止に相当する高全脳容量と関連した。低強度PAの調整後には、中等度〜強度PAの増量は有意に全脳容量と関連しなかった。
評価
米運動ガイドラインよりも少ない運動で十分に脳ボリュームが保たれることを示した重要な定量研究である。平均年齢53歳と、比較的若い集団のデータであり、認知機能の定量的評価は行っていない。


