腰部神経根障害患者の疼痛改善にモビライゼーション?
The Effect of Spinal Mobilization With Leg Movement in Patients With Lumbar Radiculopathy - A Double-Blind Randomized Controlled Trial
背景
腰部神経根障害患者に腰椎モビライゼーションは有効か。インドKashibai Navale College of PhysiotherapyのSatputeらは、亜急性腰部神経根症患者60名を対象としてこれを検証するDBRCTを行なった。患者を下肢動作腰椎モビライゼーション(spinal mobilization with leg movement: SMWLM)+電気療法の介入群と運動療法+電気療法のみの対照群に割り付け、2週間6回のセッションを行った。一次アウトカムは、Oswestry Disability Indexスコアによる下肢痛強度である(ベースライン・介入直後・3ヶ月後・6ヶ月後に評価)。
結論
2週間後・6ヶ月後で介入の一次アウトカム効果を認めた(6ヶ月後の下肢痛・障害度の平均差:各MD 2.6・MD 4.7)。介入群ではglobal rating of change(GROC)・straight leg raise(SLR)・lumbar range of motion(ROM)での改善も認めた。
評価
2011年のレビューでは神経根障害へのモビライゼーションの有効エビデンスはないとされており(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21292148)、これに抗して有効性を主張するRCTである。腰椎モビライゼーションにはリスクもある(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30867144)。