効くのか効かないのか、腰痛への脊椎マニュピュレーション
Benefits and harms of spinal manipulative therapy for the treatment of chronic low back pain: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
背景
慢性腰痛への脊椎マニピュレーション(SMT)の有効性は定かでない。オランダVrije Universiteit AmsterdamのRubinsteinらは、35~60歳の慢性腰痛患者へのSMT(モビライゼーションを含む)の有効性を検討した47 RCT(n=9,211)の系統レビュー・メタ解析を行なった。主要アウトカムは疼痛と身体機能の改善である。
結論
中等度質エビデンスではSMTが短期の疼痛改善において推奨的治療と同等効果があり、機能において軽度改善があった。上質エビデンスでは非推奨的治療と比べSMTは短期の疼痛改善に有効ではなかったが、機能改善には軽~中等度の効果があった(SMD-0.41)。結果は中~長期間でもほぼ同等であった。選択バイアスの可能性が低い研究では、有害事象発生率は上がっていなかった。
評価
一応の効果がありそうだが著しくはない、という結果である。運動療法と併せ行うと首痛軽減効果は大きいとの報告もあり、補完療法として意味があるかもしれない(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24225010)。