TKAかUKAか:最新系統レビュー・メタ解析の結果は
Patient relevant outcomes of unicompartmental versus total knee replacement: systematic review and meta-analysis
背景
人工膝関節単顆置換術(UKA)と人工膝関節全置換術(TKA)の優劣に結論はあるのか。University of OxfordのWilsonらは、1997〜2018年に行なわれた研究を分類し(6 RCT/7文献・17関節レジストリ+国家データベース研究・36コホート研究)、分類グループ別にアウトカムを比較する系統レビュー・メタ解析を行なった。
結論
全グループにおいては、UKAはTKAより入院期間が短く(−1.20日/−1.43日/−1.73日)、患者報告アウトカム尺度(PROMs)による疼痛スコアに有意差はなかったが、RCT以外の2グループにおいては機能的PROMsスコアはUKAの方が良好だった(平均差−0.58・−0.32)。また重大合併症発生の差は有意でなかったが、TKA後の死亡はレジストリやデータベース研究で有意に高かった(リスク比 0.27、静脈血栓塞栓イベント0.39・重大心イベント0.22)。5年再置換率はUKAの方が全グループで高かった(リスク比5.95・2.50 ・3.13)一方、全原因早期再手術はTKA後の方が多かった。
評価
「どちらもviable」というのがここでの主結論である。日本からもUKAの方が運動機能回復が早いという報告がある(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2013/0/2013_1296/_article/-char/ja/)。また、コストに重点をおいた系統レビューは、UKA選好を示唆している(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PM5711745/)。