55-59歳男性の人工肩関節置換は1/4が再手術
Serious adverse events and lifetime risk of reoperation after elective shoulder replacement: population based cohort study using hospital episode statistics for England

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
BMJ
年月
February 2019
364
開始ページ
l298

背景

人工肩関節置換術が盛んになっているが、そのリスクは。英University of OxfordのCraigらは、同国NHSデータに基づき、この問題を検討する人口ベースコホート研究を行った。対象は待機的人工肩関節置換術を行った関節炎患者51,895名(手術58,054例)であり、一次アウトカム・指標は、生涯再置換術リスク、術後30・90日での重大有害イベント(肺塞栓症・心筋梗塞・AKI・UTI・脳血管疾患・全原因死亡)である。

結論

1998〜2017年で、年間人工肩関節置換術後実施例は5.6倍増加している。再置換術の生涯リスクは85歳以上女性で2.7%、55-59歳男性で23.6%だった(リスクは術後5年間が最大)。術後30日の重大有害イベント発生リスクは3.5%、90日では4.6%だった。30日でのベースラインと比較した肺塞栓症発生の相対リスクは50-64歳女性で61だった。重大有害イベント発生は年齢・合併症・性別と関連し、85歳以上男性の21.2%は90日以内に最低1度の有害イベント発生を経験した。

評価

国家規模データで、同手術の盛行化と意外に高い再手術・有害イベントリスクを示した。特に中年男性は置換術のリスクを十分考慮して行うべきである。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy