脳損傷患者のパートナー関係維持のためのコミュニケーション介入
Investigation of a New Couples Intervention for Individuals With Brain Injury: A Randomized Controlled Trial
背景
脳損傷後は身近なパートナーとの良好な関係維持が困難になることがある。 Rehabilitation Hospital of IndianaのBackhausらは、脳損傷患者22名とそのパートナー22名を対象として、心理・行動介入(The Couples Caring and Relating with Empathy) の効果を検証するRCTを行った。介入には教育や共感トレーニング、コミュニケーションスキルトレーニングなどを含み、一次アウトカムは、カップル関係尺度としてのDyadic Adjustment Scale(DAS)・Quality of Marriage Index(QMI)・ヨハネの黙示録の四騎士質問紙(Four Horsemen of the Apocalypse questionnaire)スコアである。
結論
心理・行動介入の一次アウトカム有効性を認めた。DASとFour Horsemen of the Apocalypse questionnaireに有意な改善があり、QMIには有意な変化はなく、満足度は良好であった。
評価
PTSD患者を対象としたこの介入の有効性が報告されており(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22893167)、脳損傷患者においても同様に有効である可能性が示された。心理介入に近いが、スキルトレーニングとしてPTにも行える。