高身体活動は高齢者の認知能を護る:脳剖検研究
Physical activity, common brain pathologies, and cognition in community-dwelling older adults

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Neurology
年月
January 2019
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開始ページ
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背景

高齢者の身体活動(PA)は認知症患者の認知機能を改善すると考えられているが、そのメカニズムは。カナダUniversity of TorontoのBuchmanらは、Rush Memory and Aging Project(MAP)登録高齢死亡者454名(認知症患者42.1%、死亡平均年齢90.6歳)を対象として脳の死後解剖を行い、生前測定したPA量・運動能力・認知機能との関連を検討する横断コホート研究を行った。

結論

高PA量・高運動能力 は独立して良好な認知機能と関連し、これらの関連はADその他認知症に関する脳病理所見を追加しても維持された。しかし他方、AD等の脳病理所見と認知能との関連は、PAレベル・運動能力レベルに関わらず存在した。

評価

多数の高齢死亡者の脳病理所見と生前の活動データを関連させたユニークな研究で、身体活動の認知有益性が一定程度脳の病理的所見と独立している、という結論を導いた。著者らが認めているように、メカニズムは未だ不明である。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy