筋骨格系疼痛患者の早期PT利用はオピオイド使用を大幅低減する
Association of Early Physical Therapy With Long-term Opioid Use Among Opioid-Naive Patients With Musculoskeletal Pain
背景
早期の理学療法(PT)は筋骨格系疼痛患者の長期オピオイド使用を抑止するか。Stanford UniversityのSunらは、IBM MarketScanデータに基づき、肩・首・膝・腰に筋骨格系痛の新規診断を受けたオピオイド未使用患者88,985名を対象として、早期PTとオピオイド使用の関連を検討する横断研究を行った。一次アウトカムは、診断日から91〜365日間のオピオイド使用である。
結論
全体の29.3%が早期PTを受けており、早期PTの一次アウトカム有効性が示された:肩痛(OR:0.85)・頚痛(OR:0.92)・膝痛(OR:0.84)・腰痛(OR:0.93)。オピオイド使用患者の早期PT利用は、頚痛以外のオピオイド使用量を約10%低減した。
評価
筋骨格系痛への早期PTの有益性は頚痛へのものも含め多数報告されているが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27405318)、この研究は特に米国で大問題となっているオピオイド乱用抑止へのインパクトを示した。