OAへの全身マッサージは「短期的には有効だが長期的には無益」?
Efficacy and Safety of Massage for Osteoarthritis of the Knee: a Randomized Clinical Trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Journal of General Internal Medicine
年月
December 2018
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開始ページ
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背景

変形性膝関節症(OA)の疼痛管理に全身マッサージは有効か。Duke Integrative MedicineのPerlmanらは、OA患者222名を対象としてこれを検証する多施設RCTを行った。患者は60分間の全身マッサージ・ライトタッチ・標準ケア群に割り付けられた(マッサージ/ライトタッチ群は週1回のセッションを8週間行い、その後は52週まで隔週の介入、もしくは標準ケア。初回から標準ケア群に割り付けられた患者は42週で終了)。一次アウトカムは、Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)スコアである。

結論

8週時点でマッサージはライトタッチ(−8.169)・標準ケア(−9.55)と比較して有意にWOMACスコアを改善し、さらにWOMACサブスケールにおける疼痛、筋肉の硬さ(stiffness)・身体機能も改善した。しかし、52週では有意差は認められなかった。

評価

このテーマに関し、詳細な用量検証試験(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22347369)を経て行われた最も本格的なRCTである。しかし、結果は「短期治療としては有効だが、長期治療としては無益」という、解釈の難しい結論となった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy