心不全患者への運動療法の効果はベースライン運動レベルに依存しない
Influence of Baseline Physical Activity Level on Exercise Training Response and Clinical Outcomes in Heart Failure
背景
慢性心不全(HF)患者のベースラインでの運動量(PA)は、運動療法の効果に影響するか。NIHのFlegらは、同患者に対する運動療法の有効性・安全性を評価したHF-ACTION試験のデータを利用して、ベースラインでの習慣的運動のレベルと運動療法の効果の関連を検討する二次解析を行った(n=1,494)。一次エンドポイントは全原因死亡・全入院の複合である。
結論
ベースラインPAレベルは一次エンドポイントイベント率と関連していたが、各PAレベル分位内では運動群と対照群との間に一次エンドポイント効果差はなかった。
評価
元々のHF-ACTIONは、諸因子調整後には運動療法が一次エンドポイント有効であったと報告するものだった(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19351941)。この論文は、ベースラインPAレベルは運動療法の効果予測因子でない、としたものである。