ナノキャリア利用IGF1送達によるOA治療の概念を実証
Cartilage-penetrating nanocarriers improve delivery and efficacy of growth factor treatment of osteoarthritis

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Science Translational Medicine
年月
November 2018
10
開始ページ
eaat8800

背景

変形性関節炎(OA)の決定的治療薬は存在せず、送達の困難さもその一因となっている。Massachusetts Institute of TechnologyのGeigerらは、PEG化amine terminal polyamidoamine(PAMAM)デンドリマにインスリン様成長因子1(IGF-1)を結合させたナノキャリアをOAモデルラットの膝関節に注入し、軟骨消失抑制効果を検討した。

結論

ナノキャリア送達IGF-1の半減期はIGF-1単体の場合の10倍(4日)であり、薬効は半減期を経て30日間持続した。単体治療・無治療ラットと比べナノキャリア治療ラットは軟骨のすり減り炎症が少なく、処置後4週で無治療ラットに比べ軟骨変性が60%、骨棘形成が80%抑制された。

評価

静電結合を利用する簡明な機構であり、有望な概念を実証した。ヒトは軟骨厚がラットの10倍もあり、臨床架橋の障害となりそうである。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy