外傷性肩関節脱臼へのベストアプローチは
Treatment after traumatic shoulder dislocation: a systematic review with a network meta-analysis
背景
初回外傷性肩関節脱臼治療で、肩関節前方不安定症発生リスクを最小限に留めるには。フィンランドUniversity of HelsinkiのKavajaらは、この問題を検討した22研究のシステマティックレビュー・メタ解析を行った。
結論
中等度質のエビデンスでは、理学療法と比べ関節唇修復術は反復性脱臼発生率を低減したが(RR:0.15)、また非手術的マネジメントを行った患者も47%は2年以内には肩脱臼を再発しなかった。関節固定の無益性、オープン外科の有益性に関して低質のエビデンスがあった。
評価
問題全体に関し上質エビデンスがなく、特に即時手術を推奨させるエビデンスはない、という結論である。著者らは、今後の研究では機能評価に関し統一したエンドポイントが必要であること、また手術のプラセボ効果を防ぐためある程度の盲化も必要であるとしている。