緊急入院した超高齢患者への積極リハは安全・有効か
Effect of Exercise Intervention on Functional Decline in Very Elderly Patients During Acute Hospitalization: A Randomized Clinical Trial
背景
緊急入院した超高齢者に強力なリハビリをすべきか。スペインPublic University of NavarraのIzquierdoらは、緊急入院・処置した平均87.3歳の超高齢患者370名を対象として、これを検証するRCTを行なった。患者はテーラーメイドされた1日2回の中等強度の筋力・バランス・歩行トレーニングを行う介入群と必要時にリハビリを行う標準ケアコントロール群に割り付けた。一次アウトカムは Barthel Index of independence・SPPB評価による入院から退院までの身体機能変化である。
結論
標準ケアに比して介入プログラムは超高齢者の身体機能低下を抑止した(入院から退院までの変化:SPPB尺度平均+2.2・Barthel Index of independence尺度平均+6.9)。また入院はコントロール群では身体機能能力低下と関連したが(Barthel Index −5.0・SPPB+0.2)、介入群ではこの傾向は逆転した(+1.9・+2.4)。有害事象の発生はなかった。
評価
緊急入院者への積極的リハビリが推奨される流れがあるが、この研究は超高齢者を対象として個人化メニューを導入した最初のものである。二次アウトカムである認知・QoLでも効果があった、としている。著者らはまた、緊急入院者のリハビリでの原因疾患指向アプローチの再考も促している。