テロメア長と高齢者の身体活動能は関連する?
Short Telomere Length Is Related to Limitations in Physical Function in Elderly European Adults
背景
白血球テロメア長(LTL)は、身体活動能と関連するか。スイスOrebro UniversityのKadiらは、EU域内5ヶ国のNU-AGE研究登録者1,221名(65〜79歳)を対象として、高齢者の身体活動能力(SF-36・握力)と定量PCRによるLTLの関連を検討した。
結論
EU住民のLTLには性別・国別によるバリエーションがあった。握力とLTLには関連はなかったが、最長LTL分位者と比較して最短LTL分位者の身体能力には低下傾向があり(OR:1.7)、これは多要因調整後でも同じだった。ただし、身体活動能力の低下とLTLにリニアな用量反応関係はみられなかった。
評価
テロメア長と身体活動能をリンクさせた初めての研究である。運動不足がテロメア短縮をもたらすという報告はいくつかある(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28552815、https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18227361)。