錯視応用VR介入で複合性局所疼痛症候群(CRPS)患者の痛みを軽減
Heartbeat-enhanced immersive virtual reality to treat complex regional pain syndrome
背景
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome: CRPS)にミラーセラピーを応用した新たなVR療法が開発された。スイスUniversity of GenevaのSolcaらは、同患者24名と年齢性別マッチングを行なった対照群を対象として、同介入の有効性を検証するクロスオーバーDBRCTを行った。対象者はVR環境に没入し、自己心拍に同期または非同期してフラッシュされる自己の患肢を仮想体験する(heartbeat-enhanced virtual reality: HEVR)。一次アウトカムは、痛み軽減(主観レーティング・力強度・心拍動揺性)である。
結論
HEVRの全一次アウトカム有効性を認めた。
評価
ラバーハンド錯覚を応用したVRで、痛み感覚に直接作用せずに痛みを軽減する、というユニークな手法である。直接治療法とも併用できそうで、有望である。比較的新しい系統レビューは、没入型VRは小児疼痛の軽減に有効であるとしている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5532544/)。