高齢者の認知機能低下を予測するフィットネス
Physical Fitness and Aortic Stiffness Explain the Reduced Cognitive Performance Associated with Increasing Age in Older People
背景
高齢者において、フィットネス(6MWD)と大動脈硬化度は認知機能を予測するか。オーストラリアSwinburne University of TechnologyのKennedyらは、自立能力のある高齢者施設入所者102名を対象として、認知アセスメントバッテリー・脈波伝播速度分析(PWV)・6分間歩行試験を行い、認知機能・大動脈硬化進行度・フィットネスの間の関連を検討した。
結論
高齢者のフィットネス・大動脈硬化進行度はいずれも空間性ワーキングメモリ(SWM)パフォーマンスを予測した。年齢はどの変化をも直接予測せず、SWMの全体的変動の33%はBMI・性別・フィットネス・大動脈硬化度で説明できた。
評価
この研究では大動脈硬化度と認知機能の間に関連がないとしているが、PWVと認知機能の間に関連を認めたものは多い(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23321445、https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26235455)。この研究は、6MWDで簡略定義したフィットネスの独立した重要性を示唆するものである。