認知症患者への筋トレは逆効果?
Dementia And Physical Activity (DAPA) trial of moderate to high intensity exercise training for people with dementia: randomised controlled trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
BMJ
年月
May 2018
361
開始ページ
k1675

背景

認知症患者の認知機能障害への運動介入の効果に関する研究結果は一致していない。英University of WarwickのLambらは、認知症患者494名を対象として、標準治療への4ヶ月間指導下有酸素運動・筋力トレーニング追加の効果を検討するRCTを行った(対照:標準治療のみ)。一次アウトカム指標は、12ヶ月後でのADAS-cogスコアである。

結論

運動介入群で一次アウトカム指標スコアが上がり、運動による認知機能障害の悪化が示唆された(25.2 vs. 23.8、調整群間差-1.4)。二次アウトカムおよび前指定サブグループ解析では差はなかった。6MWDは改善した。

評価

運動能は高まるが認知能は悪化する、という皮肉な結果である。数多い有効結果と対立するが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26607411、https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24302466)、本研究は規模・デザインとも良質なRCTである。議論を「無益」の側に大きく傾ける。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy