高齢入院患者のための新たなフレイルスコアシステムを開発
Development and validation of a Hospital Frailty Risk Score focusing on older people in acute care settings using electronic hospital records: an observational study

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
The Lancet
年月
May 2018
391
開始ページ
1775

背景

高齢者フレイルの簡明なスコアリングシステムが待たれている。英University of LeicesterのConroyらは、フレイル関連診断を受け医療資源高度利用病院に入院中の75歳以上の高齢者22,139名を対象として電子カルテデータとInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, Tenth Revision (ICD-10)分類に基づくHospital Frailty Risk Scoreを開発し、検証コホート(n=1,013,590)においてその有効性を検討した。

結論

開発コホートで高齢フレイル患者の明確な群を同定し、長期入院と関連した。国家規模検証コホートでは、最低リスクスコア患者と比べて、Hospital Frailty Risk Scores最高群患者(20.0%)は30日死亡(OR:1.71)・長期入院(OR:6.03)・30日以内再入院(1.48)が高オッズで、これら3アウトカムにおけるC統計量は各0.60・0.68・0.56だった。既存のフレイルスケールFried and Rockwood scales・Rockwood Frailty Indexとは中等度に重複した。

評価

フレイルスコアは多いが、この英国版はICD-10に基づくため多国へ翻訳可能であり、また病院の電子カルテシステムに組み込みやすい、という。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy