ASD小児の運動能遅滞は重大なPT問題
Associations of Gross Motor Delay, Behavior, and Quality of Life in Young Children With Autism Spectrum Disorder
背景
自閉症スペクトラム症(ASD)小児は運動発達遅滞することが多いが、健康関連QOL(QoL)・日中問題行動(PDB)との関連は不明である。Children's Hospital ColoradoのHedgecockらは、Autism Speaks Autism Treatment Networkに登録された2〜6歳のASD小児3,253名のデータに基づき、ASD小児の粗運動能(VABS-GMスコア)とPDB(CBCLスコア)・QoL(PedsQLスコア)の関連を検討する後向分析を行った。
結論
ASD小児の粗運動能遅滞は独立してPDB・QoLと関連し、また逆にそれらの間の関連を修飾した。さらに、ASD小児で内面化的PDBを持っている場合には、粗運動能遅滞がより著しかった。
評価
運動は発達だけでなく、気分障害にも有用であるとされており、スクリーニングによって運動能遅滞のあるASD小児に早期PT介入を行えば得るものは大きい(APTAのASDガイド:https://www.moveforwardpt.com/SymptomsConditionsDetail.aspx)。日本ではASDの子どものためのPTは少ない。