高齢者の身体機能格差は社会経済ステータス格差と関連する
Socioeconomic status, non-communicable disease risk factors, and walking speed in older adults: multi-cohort population based study

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
BMJ
年月
March 2018
360
開始ページ
k1046

背景

高齢者の社会経済ステータスと身体機能低下との関連は。スイスLausanne UniversityのStringhiniらは、1990〜2017年に行われた24ヶ国37コホート研究(n=109,107)を対象として、高齢者の社会経済ステータスと非感染性疾患発症・身体機能低下との関連を検討する多コホート統合人口集団ベース研究を行なった。

結論

高齢・低社会経済ステータス男性の歩行速度は66.6歳の高ステータス男性と同等(機能喪失年数6.6年)であった。低ステータス者は男性・女性とも60歳までに各5.7・5.4年機能喪失し、その原因は不活動・肥満・高血圧・糖尿病・タバコである。高所得国に限定した場合、60歳での低ステータスによる身体機能喪失年数は男性8.0年・女性5.4年だったが、低‐中所得国では男性2.6年・女性 2.7年であり、欧州よりも米国の方が差が大きかった。

評価

最大規模統合コホート研究で、一般的印象を確認した。近年注目されている歩行速度指標で定量している点が明快であり、また制約でもある。著者らは、横断的データでバイアスの可能性もあるとしている。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy