線維筋痛症に太極拳
Effect of tai chi versus aerobic exercise for fibromyalgia: comparative effectiveness randomized controlled trial
背景
線維筋痛症(FM)は運動療法で軽減すると言われている。Tufts UniversityのWangらは、FM成人患者226名を、有酸素運動群(週2回×24週)と太極拳4群(週1回もしくは週2回×12週もしくは24週)に割り付けるRCTを行った。一次アウトカムは、24週でのFIQR(Fibromyalgia Impact Questionnaire)スコアの変化である。
結論
全5群でFIQRスコアが改善したが、有酸素運動群と比べ、太極拳群の改善度が有意に高かった(群間差5.5点)。また幾つかの副次アウトカムも有意に改善した(患者包括的評価0.9点 ・不安感1.2点・自己効力感1.0点・対処能力2.6点)。太極拳はまた、有酸素運動と同頻度処方された場合でもベネフィットが大きく、12週より24週の方が改善が大きかった。太極拳群の参加率は有酸素運動群より良く、インスタラクターによって効果が異なることはなく、重大有害イベントの報告もなかった。
評価
不安感の軽減や自己効力感等の心理的側面は、太極拳独自の効果であろう。著者らは割り付け群による参加率の差異を研究制約として挙げているが、過去最大規模で幅広い年齢サンプルを対象とした比較的良質のエビデンスである。