慢性腰痛・股関節痛・変形性関節炎へのオピオイドにメリットなし
Effect of Opioid vs Nonopioid Medications on Pain-Related Function in Patients With Chronic Back Pain or Hip or Knee Osteoarthritis Pain: The SPACE Randomized Clinical Trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
March 2018
319
開始ページ
872

背景

アメリカのオピオイドクライシスは多数の慢性痛患者へのその濫用に起因しており、ガイドラインは慎重な使用を勧告している。University of MinnesotaのKrebs(SPACE)らは、退役軍人プライマリケア診療所で、中等〜重度な慢性的腰痛・股関節痛・変形性膝関節炎患者240名を対象として、オピオイドと非オピオイド鎮痛薬の効果・安全性を比較する評価者盲化RCTを行なった。一次アウトカムは、12ヶ月での痛み関連機能(BPI interference scale)である。

結論

両群間に一次アウトカム効果差はなかった。痛み強度は非オピオイド系鎮痛剤群で有意に低く、薬剤関連副作用は有意にオピオイド群が多かった。

評価

結論が先取されている研究ともいえるが、完全に厳密なRCTは意外にもないようで、この研究もDBRCTではない。JAMAは2017年に、EDでの急性四肢痛へのオピオイド効果が非オピオイドと変わらなかった、という報告を掲載している(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29114833)。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy