貧しい慢性疼痛患者に教育‐行動アプローチ
Literacy-Adapted Cognitive Behavioral Therapy Versus Education for Chronic Pain at Low-Income Clinics: A Randomized Controlled Trial
背景
慢性疼痛には多視点からの総合的アプローチが重要である。University of AlabamaのThornらは、同州在住低所得層の慢性疼痛患者290名を対象として、認知行動療法(CBT)・痛みに関する教育(EDU)が標準ケアと比べて患者の痛み強度・身体機能・抑鬱傾向を改善するかを検討するRCTを行なった。
結論
CBT・EDUは標準ケアに比べ、介入後の痛みの低下度が大きかった(CBT:−0.80、EDU:−0.57)。6ヶ月のフォローアップではCBT群の効果は維持されなかったが、EDU群では維持された。身体機能では両ケアがともに標準ケアに優れ、効果はともに6ヶ月後も維持された。抑鬱傾向に関しては全ケアで差がなかった。
評価
CBTは慢性疼痛軽減に推奨されているが、貧困層にシンプルな方法で効果があることを初めて示した。EDUの効果を報告した研究は未だ少なく、貧困層への効果確認は初めてである。