脊髄損傷患者への歩行訓練は膀胱・腸・性機能も改善する?
Improvements in bladder, bowel and sexual outcomes following task-specific locomotor training in human spinal cord injury
背景
脊髄損傷(SCI)患者への歩行トレーニング(LT)が歩行以外の機能改善にも有効である、とする結果が報告された。University of LouisvilleのHubscherらが、SCI患者8名(体重免荷装置を用いたトレッドミルLTを1時間、もしくは1時間のLT+1日おきの起立訓練を80日間)を対象として行った小規模サンプル前向パイロット研究である。
結論
LTトレーニング後の、膀胱容量・排尿効率・排尿筋収縮持続時間の増加と排尿圧の有意な低下が確認された。数名の参加者では尿失禁と夜間頻尿回数が低下し、また排便時間の低下や性欲回復も報告された。
評価
運動介入により膀胱や腸の神経コントロールも改善する、という推測に基づく仮説生成研究で、本格検証が期待される。SCI患者の膀胱・腸・性機能改善介入に関する研究は少ない。