ランナー腰痛には体幹深部筋の弱さが関連する
Biomechanical consequences of running with deep core muscle weakness
背景
体幹部の深層筋(deep core muscles)の弱さは、ランニングによって起こる腰痛とどう関係するか。The Ohio State UniversityのRaabeらは、健康若年成人8名の深層筋(多裂筋・腰方形筋・腰筋・脊柱起立筋)を個別、また集合筋群として段階的に弱化させ、OpenSimを用いて、ランニング中の腹部筋の弱さを補う深部筋機能が潜在的に存在する可能性を検討した。
結論
筋肉弱化度全5段階中4段階で、浅部胸最長筋に有意な代償機能があり、個別弛緩検証で、深部脊柱起立筋が最も代償を必要とすることが示された。したがって、同筋がランニング運動制御に最も寄与している可能性がある。全深部筋を弱化させた検証では、前方剪断負荷が全脊柱にわたって増加した。
評価
OpenSim(http://opensim.stanford.edu)を用いたシミュレーション研究である。体幹部(コア)筋力はランニングに必須とされるが、そのバイオメカニズムを解析して、深部筋の筋力不足が腰痛を引き起こすメカニズムを具体化した。