パーキンソン病にはなぜ運動が良いか:分子機構
Running wheel exercise reduces α-synuclein aggregation and improves motor and cognitive function in a transgenic mouse model of Parkinson's disease

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
PLOS ONE
年月
December 2017
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背景

運動はパーキンソン病(PD)の身体・認知機能低下予防に有効だが、その機序は不明である。University of ColoradoのZhouらは、ノックアウトマウスを作成してDJ-1遺伝子の運動能への重要性を確認したのち、変異αシヌクレイン発現モデルマウスを用いて、ランニングホイールでの運動によるDJ-1タンパク濃度の変化を実測した。

結論

3ヶ月後、対照マウスに比し運動マウスでは迷路運動・認知パフォーマンスが有意に良好だった。また、運動マウスではDJ-1・Hsp70・BDNFの脳内濃度が有意に上昇しており、αシヌクレインの凝集は有意に抑制されていた。対照的に、運動マウスでは血漿αシヌクレイン濃度は有意に上昇していた。

評価

DJ-1遺伝子のPDへの関与は、著者らを含む複数グループが提唱している。この論文はその仮説を強化し、運動によりDJ-1タンパクの脳内濃度が上昇してαシヌクレイン凝集が抑えられることを示した。臨床架橋が可能な結果である。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy