歯周病は大腸がん・肺がんのリスクを上昇させる
Periodontal Disease Assessed Using Clinical Dental Measurements and Cancer Risk in the ARIC Study
背景
近年のエビデンスは歯周病とがんリスクとの関連を示唆している。Tufts UniversityのMichaudらは、Atherosclerosis Risk in Communities研究に参加した黒人・白人の高齢者(n=7,466)において、歯周疾患重症度とがんリスクとの関連を評価した。
結論
中央値14.7年のフォローアップ期間中に、1,648件のがん発症と547件のがん死亡があった。喫煙などのリスク因子を調整後、重度の歯周炎を有する参加者は全がんリスクが増加した(ハザード比1.24)。関連は、肺がん(2.33)と非喫煙者における大腸がん(2.12)で特に顕著であった。乳がん・前立腺がん・造血器腫瘍・リンパ系腫瘍については関連は見られなかった。
評価
フィンランドの集団ベース研究でも全がん死亡・膵がん死亡の増加が示されているほか(https://doi.org/10.1002/ijc.31254)、歯周病関連菌とがん発症との関連を示唆するエビデンスも現れ始めている(http://doi.org/10.1126/science.aal5240)。歯周病の予防・早期発見は、口腔健康に留まらない有益性を有すると思われる。