現代の若者死亡の60%超は男性
Global, regional, and national mortality among young people aged 10-24 years, 1950-2019: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2019
背景
現代世界の若者の死亡パターンは。GBD 2019 Adolescent Mortality Collaboratorsは、Institute for Health Metrics and Evaluation GBD 2019データに基づき、1950〜2019年204国・地域の10〜24歳の死亡数・喪失生存年数・死亡率を性別・年齢層別に分析した。
結論
10〜24歳の死亡者数は2019年で149万人で、その61%が男性であった。全死亡の32.7%は交通事故・負傷・暴力・紛争に、32.1%は感染性・栄養性・母親因に、27.0%は非感染性疾患に、8.2%は自傷行為によるものであった。1950年以降、この年齢層の死亡者数は女性で30.0%、男性で15.3%減少しているが、世界のほとんどの地域で死亡率の性別差が拡大している。特に10〜14歳では地理的偏差も増している。1980年以降は、感染性・母親因死亡が急減しているが、サハラ以南アフリカ・南アジアでは依然として一般的であり、青年期の死亡の半分以上を占める。1990年以降の15〜19歳の全原因死亡の年間減少率は男性で1.3%、女性で1.6%で、幼児死亡の減少率を下回った。世界の0〜24歳死亡中での10〜24歳の割合は、1950年から2019年間に9.5%から21.6%へと2倍以上になった。
評価
近年死亡した若者のほぼ3分の2が男性、特定地域で死亡率の男女格差が拡大している(ラテンアメリカとカリブ海地域で最大)、という高インパクトの報告である。 著者等は、過去のプログラムは「当然のことながら」女児の社会的条件に焦点を合わせており、男児は取り残されたといっている。