世界の学童の1割は前年に喘息症状を起こしている
Worldwide trends in the burden of asthma symptoms in school-aged children: Global Asthma Network Phase I cross-sectional study
背景
喘息は、世界の子供たちに最もよく見られる慢性疾患である。ニュージーランドUniversity of AucklandのAsherら(Global Asthma Network[GAN] Phase I Study Group)は、その世界的疾病負担に関する横断研究を行った。学校で書面による質問票に自己記入した2つの年齢層(6〜7歳・13〜14歳)の小児を対象として、GANフェーズIおよびISAACフェーズI(1993〜95)、ISAACフェーズIII(2001〜03)、またはその両方を完了したセンターが評価した。
結論
参加者は、14ヵ国27センターの119,795名であった。2年齢層の約10人に1人が前年に喘鳴を起こしており、そのほぼ半数は重症であった。ほとんどのセンターでは、ISAACフェーズIIIからGANフェーズIまでの間に2 SE以上の有病率の変化がみられた。1993〜2020年で、両年齢層で重度喘息の10年あたり有病率が有意に低下し、喘息発作経験数・夜間咳嗽が増加した。喘鳴有病率は、低所得国で増加している一方、中・高所得国では定常的である。
評価
小児喘息に関する唯一最大の世界調査で、子どもの1割が前年に症状を経験していること、西欧化により低所得国で増えていることを示した。著者らは、喘息が世界で正しく診断されていない、としている。