小児下気道炎への抗菌薬の無益をまた確認:ARTIC PC
Antibiotics for lower respiratory tract infection in children presenting in primary care in England (ARTIC PC): a double-blind, randomised, placebo-controlled trial

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Lancet
年月
October 2021
398
開始ページ
1417

背景

小児の合併症のない下気道感染症(LRTI)に対して未だ抗菌薬が一般的に処方されている。英University of SouthamptonのLittleら(ARTIC PC)は、56のプライマリケア施設において同小児患者を対象として、アモキシシリンの重篤化阻止効果を検証するRCTを行った(n=432)。一次アウトカムは、中等度以上の症状(日誌記録)のあった期間である。

結論

一次アウトカムに群間差はなかった。事前指定5サブグループ(胸部徴候・発熱・体調不良・喀痰/胸部ラ音・息切れ)でも差は認められなかった。

評価

繰り返し抑止が呼びかけられている世界的慣行である。著者らは、「抗菌薬をつかって治ると、実質効果に関わりなく両親は抗菌薬のおかげと思い、次回も反復を期待する」としている。明確に肺炎でない限り不要、とガイドライン化されるべきであろう。

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取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies