小学校でのIPMで児童の喘息は改善しない
Effect of School Integrated Pest Management or Classroom Air Filter Purifiers on Asthma Symptoms in Students With Active Asthma A Randomized Clinical Trial

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
September 2021
326
開始ページ
839

背景

小学校における総合的有害生物管理(Integrated Pest Management:IPM)で児童の喘息症状は改善するのか。 Boston Children’s HospitalのPhipatanakulら(School Inner-City Asthma Intervention Study)は、米国北東部の小学校41校(児童236名)をIPMと高効率粒子状空気(HEPA)フィルター付き空気清浄機の使用に割り付け、活動性喘息小児の症状改善効果を検証するRCTを行った。一次アウトカムは、2週間のあいだに喘息症状があった日数で、症状日数は無作為化後10ヵ月間、2ヵ月ごとに評価した。

結論

両群で、2週間の喘息児の症状日数を有意に減少しなかった。介入関連する有害事象はなかった。

評価

同グループが行ったアメリカのインナーシティ小学校調査での、学校塵埃の99%にネズミの、95%にネコのアレルゲンが見つかるという結果(https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2587681)を踏まえた介入試験だったが、失敗した。 著者らは、「研究結果の解釈では、ベースラインでのアレルゲンレベル・粒子曝露・喘息症状を考慮する必要があるかもしれない」としている。家庭や地域の問題が大きい、ということであろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

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