COVID-19パンデミックで21ヵ国100万人以上のこどもが養育者を失った
Global minimum estimates of children affected by COVID-19-associated orphanhood and deaths of caregivers: a modelling study
背景
COVID-19パンデミックは、孤児の発生など二次的インパクトをもたらす。 米CDCのHillisらは、死亡率と出生率のデータを使用して、21ヵ国における一次養育者(親・祖親)または二次養育者をCOVID-19関連死亡で失った18歳未満の子の数を推定した。
結論
2020年3月1日〜2021年4月30日に、1134,000名の子どもが1名以上の一次養育者の死亡を経験した。1,562,000名の子どもが、1名以上の一次養育者(親・祖親)または二次養育者の死亡を経験した。 一次養育者の死亡率が子ども1,000人あたり1名以上であった国は、ペルー(10.2名)・南アフリカ(5.1名)・メキシコ(3.5名)・ブラジル(2.4名)・コロンビア(2.3名)・イラン(1.7名)・米国(1.5名)・アルゼンチン(1.1名)・ロシア(1.0名)であった。15〜50歳では、孤児となった子どもの数は死亡した子どもの数を上回った。母親を亡くした子どもより、父親を亡くした子どもが2〜5倍多かった。
評価
この問題に関する、初めてで衝撃的な報告である。特にアメリカの多さが注目される。米国では黒人に偏る事象で、サハラ以南アフリカでは1,400万人の子どもがHIV・AIDSで一次養育者をなくしている、という (https://www.nature.com/articles/d41586-021-02155-9)。