自然流産は早期死亡リスク
Association of spontaneous abortion with all cause and cause specific premature mortality: prospective cohort study
背景
自然流産の健康リスクは。Harvard T H Chan School of Public HealthのChavarroらは、1993〜2017年のNurses’ Health Study II(101,681名)データに基づき、研究開始時25-42歳の女性の妊娠と健康を追跡した。
結論
追跡期間中に2,936名が早期死亡し、がん(1,346名)と心血管疾患(269名)による死亡も含まれた。全原因死亡率は、自然流産の既往に関わらず同等であったが、3回以上の自然流産の既往歴(1000人年あたり1.47)と24歳未満での最初の自然流産既往(1000人年あたり1.69)の女性が高かった。食事・ライフスタイル因子の調整後、自然流産の発生は、早期死亡の高リスク(HR:1.19)と関連した。この関連は、再発性自然流産と生殖生活の初期に発生する流産で強かった。自然流産と早期死亡との関連は心血管疾患による死亡で最も強く(1.48)、がんとの関連はみられなかった。
評価
重要な主題だが十分に検討されておらず、日本からは「40-79歳での心血管死が減る」という5万人調査結果が出ている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28242247/)。ここでの結果はHarvard Chanの10万人データ解析で十分な信頼度があるが、機構論を含めた将来の研究が必要である。

