COVID-19感染母の母乳中にウイルスは存在するか
Evaluation for SARS-CoV-2 in Breast Milk From 18 Infected Women

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
October 2020
324
開始ページ
1347

背景

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のSARS-CoV-2ウイルスが母乳育児によって乳児に感染する可能性はあるか。University of CaliforniaのChambersらは、2020年3月27日〜5月6日に、SARS-CoV-2感染を確認した女性18名(母乳:計64)の多時点採取検体のSARS-CoV-2 RT-PCR検査を行った。1名を除く全ての女性が有症状感染者であり、児の年齢は新生児から19ヶ月までの範囲であった。

結論

母乳サンプルに検出可能なSARS-CoV-2 RNAがあったのは1名だけだった。同検体は発症日採取のものであり、発症2日前・12日後・41日後サンプルは、すべてウイルスRNA陰性であった。母乳育児の乳児はテストしなかった。ウイルスRNA陽性サンプルを含め、検体からは培養増殖可能なウイルスは検出されなかった。

評価

限定例であるものの非常に説得的な報告で、「心配なら母乳を検査すればよいが、まず確実に心配はない」という結果である。なお、滅菌処置の明確な有効性も報告している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies