COVID-19重症ED患者のGOCは:コロンビア調査
Early Intervention of Palliative Care in the Emergency Department During the COVID-19 Pandemic
背景
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者は老人が多いうえに対症療法しかなく、緩和ケアの構えが必要となる。Columbia UniversityのNakagawaらは、同患者へのケア目標(GOC)の明確化に焦点を当てた救急における緩和ケア介入の実態調査をおこなった(n=110、年齢中央値81.5歳)。
結論
ほとんどの患者は2以上併存疾患がある地域在住の高齢者で、ほとんどは到着時に意思決定能力を持っていなかった。到着時82.7%がfull codeであったが、介入後18.2%に減少した。PCR拒否患者は64.5%で、そのほとんど(55.5%)は人工呼吸(挿管)も拒否した。退院時には、full codeは8.6%に減少したが、comfort-directed careが51.9%に増加した。滞在期間中央値は4日で、71名(68.2%)の患者が院内死亡した。生存退院した33名(31.7%)の患者のうち6名(5.8%)はホスピスケア状態からの退院であった。
評価
NYの日系医Nakagawaが主導した研究で、GOCの分類は、full code、DNRのみ、DNR/DNI、治癒目的治療継続、comfort-directed careである。7割が死亡するという激烈な状況だが、6%の患者は緩和ケアだけで助かった。著者らは、「救急入院してからでは遅い。GOC意思は日常から家族に告げておくのがよい」としている。