COVID-19(新型コロナウイルス感染症)妊婦の帝王切開は高リスク?
Association Between Mode of Delivery Among Pregnant Women With COVID-19 and Maternal and Neonatal Outcomes in Spain

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
June 2020
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開始ページ
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背景

COVID-19妊婦の分娩様式とアウトカムは。スイスCentre Hospitalier Universitaire VaudoisのBaudらは、同妊婦(n=82)の分娩様式と母体・新生児アウトカムとの関連を評価した。

結論

妊婦82名中4名が重症COVID-19で、全員が帝王切開を受け、術後ICU入室した。78名は無症状または軽度で、その11名が酸素投与を受けた。41名(53%)が正規出産で、37名(47%)が帝王切開であった(産科的適応が29名、COVID-19適応が8名)。正規出産群では重篤な有害アウトカムはなかった。帝王切開群は、5名(13%)がICU入室した。出産後臨床的悪化は、正規出産群2名(4.9%)で、帝王切開群8名(21.6%)であった。多因子調整後、帝王切開は臨床的悪化と有意に関連した(OR:13.4)。NICUに入った新生児は、正規出産群8名(19.5%)、帝王切開群11名(29.7%)であった。多因子調整後、帝王切開群で、NICU入室リスクが増大した(OR:6.9)。生後6時間以内のPCR陽性は、72名中3名(4.2%)、48時間後では陰性であった。10日以内にCOVID-19を発症した新生児はいなかった。初期検査陰性であった帝王切開群の2名の新生児が10日以内にCOVID-19症状を呈した。症状は48時間以内に消失した。2名の新生児は出産直後から家族と接触していた。

評価

スペイン妊婦に関するスイス報告である。初期の中国データ(n=118)では、発症妊婦は8%が重症化し、重症化妊婦の出産では67%が合併症を起こす、としていた(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2009226)。しかし、中国は90%以上が帝王切開であるため、帝王切開が高リスクである、というここでの結果は初であり重要である。更なる報告が待たれる。

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取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

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