母乳育児の卵巣がん発症リスク低減効果を詳細確認
Association Between Breastfeeding and Ovarian Cancer Risk
背景
母乳育児は卵巣がん発症リスクを低下させると報告されているが、組織型によって異なるのか。また、母乳育児期間との関連は。Harvard Medical SchoolのBabicらは、卵巣がん患者(n=9,973)と、Ovarian Cancer Association Consortium(OCAC)ケースコントロール研究13件の参加者(n=13,843)を対象としたプール分析をおこなった。
結論
母乳育児は、浸潤性卵巣がんリスクの24%低減と関連していた。分娩とは無関係に、母乳育児は、すべての浸潤性卵巣がん、特に高悪性度の漿液性および類内膜がんのリスク低下と関連していた。母乳育児期間1〜3ヶ月は18%のリスク低減と、12ヶ月以上は34%の低減と関連していた。より最近の母乳育児はリスク低下と関連しており(0.56)、この関係は母乳育児終了後も数十年も持続し、30年以上にわたってリスクが17%低減した。
評価
母乳育児の乳がんリスク低減効果でも、人種差や組織型による差異が示唆されており(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0749379717303173)、これらの関連は、「関係がある」というレベルを超えてきた。