COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のsCFR:香港大からの報告
Estimating clinical severity of COVID-19 from the transmission dynamics in Wuhan, China
背景
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の臨床的最重要指標は感染の致死性だが、確定は困難である。香港University of Hong KongのWuらは、中国におけるCOVID-19の2月29日時点のデータ(n=79,394)に基づき、有症状者のcase fatarity risk(sCFR)を解析した。
結論
sCFRは、<30歳・30〜59歳・>59歳で、各0.3%・0.5%・2.6%であり、全体としては1.4%(0.9〜2.1%)であった。
評価
中国の疫学基礎データを1月31日時点で発表した(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30260-9/fulltext)香港大WHOオフィスによる、2月時点での最も信頼度の高い数値である。3〜4%という数値が流れたこともあり、一定の安心感を与えるが、CFRに関しては「評価は難しい」という定評がある(https://www.washingtonpost.com/opinions/2020/03/06/why-its-so-hard-pin-down-risk-dying-coronavirus/)。致死率の下方修正は注目に値する。