「ダブルチェックで与薬エラーは減る」は証拠不十分:システマティックレビュー
Effectiveness of double checking to reduce medication administration errors: a systematic review

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
BMJ Quality & Safety
年月
August 2019
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開始ページ
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背景

与薬時のダブルチェックは、特に高リスク薬では必要と見られ一般的だが、与薬エラー(MAE)の低減と患者アウトカムの改善に、本当に効果はあるのか。オーストラリアMacquarie UniversityのKoyamaらは、院内MAE低減に対するダブルチェック採用の有効性を評価した13件の研究のシステマティックレビューをおこなった。

結論

小児・成人両入院患者集団が含まれ、研究の質はばらついていた。3件の良質研究中、1件のみがダブルチェックとMAE減少との間に有意な関連性を示し、1件は関連性を示さず、1件は遵守率のみを報告していた。ダブルチェックに関連する薬物関連有害事象(medication-related harm)の変化を調査した研究はなかった。報告されたダブルチェック遵守率は、与薬の52~97%の範囲であった。

評価

与薬におけるダブルチェックは当然有益と見られ推奨されているが、堅固なエビデンスがあるわけではない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies