化学療法を受ける乳がん患者に対する12週間の歩行プログラム
The effect of a 12-week home-based walking program on reducing fatigue in women with breast cancer undergoing chemotherapy: A randomized controlled study
背景
がん化学療法中の疲労軽減のための運動の効果は。台湾Chang Gung University of Science and TechnologyのChenらは、化学療法第一サイクル後に不眠症・疲労・痛み・抑うつ症状を経験したI〜III期の乳がん患者に対する、3サイクル目からの12週間の在宅歩行プログラム(早歩き)の効果を検証するRCTを行った(対照:運動なし、n=159)。
結論
歩行群で疲労が減少し、期間中維持された。診断前に運動時間が長かった患者は、診断前にあまり運動しなかった患者より12週間後の疲労が少なかった。患者の疲労レベルは、機能的パフォーマンス・睡眠障害・うつに関連して変動した。
評価
乳がん患者の化学療法中の運動に関しては、「水泳はあまり薦められない」などとするものがあるが(https://www.breastcancercare.org.uk/information-support/facing-breast-cancer/living-beyond-breast-cancer/your-body/physical-activity-breast-cancer/physical-activity-during-after-treatment)、堅固なエビデンスはないようである。歩行は一番推奨可能性のある方策で、RCTによる有益性の確認は意味がある。