担当が8人を超えると看護師-患者関係劣化のオッズは3倍に
Hospital nurse staffing and staff-patient interactions: an observational study
背景
看護師の人員配置とケアの質に関する研究は多いが、患者とのやりとりの時間や質と人員配置の関連は。英University of SouthamptonのBridgesらは、RNおよびヘルスケアアシスタント(HCA)と患者間の計238時間(患者270名)、3,076の相互作用を観察し、ケアの質の変化をThe quality of interactions schedule(QuIS)を用いて評価した。
結論
全相互作用の10%が<ネガティブ>(事前の呼びかけなしでの患者移動や長い待機時間など)で、RNあたりの患者数が増加するにつれてそのオッズは有意に増加した(OR:2.82[患者数≧8人/RN 対 6〜8人])。HCAについても同様のパターンが観察されたが、関係は有意でなかった。RN配置数が少ない場合、HCA配置数が多いほど、ネガティブな相互作用の可能性が高くなった。相互作用の合計時間ではなく、患者1時間あたりの相互作用が、RNとHCAのスタッフレベルに関連していた。
評価
急性病棟における思いやりのあるケアのための介入プログラム(Creating Learning Environments for Compassionate Care: CLECC)の実現可能性を評価した観察データの二次分析である(https://doi.org/10.3310/hsdr06330)。類似研究は多いが、観察は直接的・長時間であり、その意味では初めての研究である。8人を境にして否定性のオッズが3倍増する、など重要な結果をもたらしている。