妊娠中のH1N1インフルエンザワクチン接種は児の5年間の健康アウトカムと関連しない
Health outcomes of young children born to mothers who received 2009 pandemic H1N1 influenza vaccination during pregnancy: retrospective cohort study
背景
妊娠中のインフルエンザワクチン接種と児の健康アウトカムの関連は。カナダUniversity of OttawaのFellらは、同国全国レジストリデータに基づき、2009年のパンデミックインフルエンザ(H1N1)における妊婦のワクチン接種と、最初の5年間における児の健康アウトカムとの関連を評価した(n=104,249)。一次アウトカムは、出生後5年内の免疫関連(感染症、喘息)・非免疫関連(新生物、感覚障害)・非特異的(救急利用/入院、慢性疾患)の罹患・5歳未満死亡である。
結論
30%の児が妊娠中にワクチン接種した母親から産まれていた。ワクチン曝露と、上気道/下気道感染症・中耳炎・感染症・新生物・感覚障害・救急利用/入院・慢性疾患・死亡に有意な関連はなかった。ワクチン曝露と、喘息リスク(調整ハザード比1.05)および消化管感染症発生率の低下(0.99)との間に非有意な関連性が見られた。
評価
妊娠中のインフルエンザ予防接種が新生児の健康に影響を与えないことを示す研究は多いが、5歳までの健康状態を調べたものは少なく、規模はこの研究が最大である。カナダでも妊婦の接種率は20%以下とされ、安全性のエビデンスは重要である。