幸福な50歳の余命は不幸な50歳の1.5~2倍?
Association Between Subjective Well-being and Living Longer Without Disability or Illness
背景
主観的幸福感(Subjective well-being: SWB)は死亡率の低下と関連しているという。英University College LondonのZaninottoらは、 English Longitudinal Study of Ageing(ELSA)参加者の最大追跡期間10年のデータを分析した(n=9,761、平均年齢64歳)。ベースラインでのAffective well-being(AWB)は、生きる喜びと有意なうつ症状の欠如で評価した。一次アウトカム・指標は、慢性疾患・障害のない平均健康余命である。
結論
高AWBの一次アウトカム効果が示された。高AWBの50歳女性は、低AWBの同年齢女性より6年長寿で、高AWB女性の余命(31.4年)は低AWB女性の余命(20.8年)より長く、障害がない可能性が高かった。高AWBの50歳男性の余命(20.8年)は、低AWBの同年齢男性の余命(11.4年)より長く、慢性疾患なしで生活する可能性が高かった。
評価
AWBの測定法に合意が得られてきているため活発化している分野で、常識的とはいえ数字としては驚くべき結果を出した。同グループが総説で述べているように、方法論も介入法も未だ開拓途上である(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30601719)。