母親の肥満は母乳の質を変えて児の成長に影響する?
Maternal pre-pregnancy weight status modifies the influence of PUFAs and inflammatory biomarkers in breastmilk on infant growth

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
PLOS ONE
年月
May 2019
14
開始ページ
e0217085

背景

母親の妊娠前のBMIおよび母乳中の多価不飽和脂肪酸(PUFA)・炎症マーカー・ホルモンが、児の成長に与える影響は。Louisiana State UniversityのNussらは、母親の妊娠前のBMIと、血液中・母乳中の炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6)・ホルモン(インスリン、レプチン)・PUFA(n-6、n-3)が4〜8週齢の乳児の成長指標とどのように関連するかを検討する前向コホート研究をおこなった(n=33)。

結論

妊娠前正常体重女性は、肥満女性より血清レプチン・母乳レプチンレベルが高かった。他の測定指標に妊娠前BMIとの関連はなかった。肥満母の児では、炎症マーカー・ホルモン・PUFAと成長指標の間に関連はみられなかった。他方、正常体重母の児では、成長とTNF-αの間に正の、他方IL-6・レプチン・インスリン・PUFAとの間に負の相関があった。

評価

このようなデザインの研究としたは初めてのものである。著者らはここでの結果に対し、肥満した母では母乳の質に対する児の反応が鈍くなる、という解釈を示しているが、仮説生成的研究とみるべきであろう。

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取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

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