患者の医療者への精神的・身体的暴力と医療者の離職意図:中国の場合
Patient violence and health professionals’ occupational outcomes in China: A time-lagged survey study

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
International Journal of Nursing Studies
年月
June 2019
94
開始ページ
120

背景

患者からの院内暴力と医療従事者の離職意図との関連は。カナダWilfrid Laurier UniversityのZhanらは、2016年に199名の中国の看護師・医師を対象に、院内暴力と離職意図などに関するアンケート調査を2週間あけて2度実施し、患者による暴力と医療専門家の職業的転帰の関連を分析した。

結論

参加者は、月平均1〜2回、非身体的暴力を受けていた(医師1.81、看護師1.99)。非身体的暴力は職業への失望と正の関連があり、離職意思と否定的言い争いとの間にも正の関連があった。身体的暴力は低頻度(月0〜1)で、離職意図とは相関していなかった。

評価

中国では過去20年間で、患者・家族らによる医師・看護師に対する職場での暴力が急速に増えている。その中でのアンケート調査で、暴力は非常に多いが非身体的なものが多いことを示すとともに、身体的暴力より言葉の暴力の方が離職につながりやすい、という興味深い結果を報告した。類似の研究より暴力の率が低いが、長期介護施設や精神科病棟からの参加者が少ないからかもしれない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies