看護師・医師は防護衣着脱の再訓練が必要?
Impact of doffing errors on healthcare worker self-contamination when caring for patients on contact precautions
背景
医療従事者(HCW)は個人用防護具(PPE)の着脱を適切に行えているか。Rush UniversityのOkamotoらは、MRSAおよびバンコマイシン耐性腸球菌を含むコロニーを形成、または感染した患者を治療する4つのICUに勤務するHCW 125名を対象に、多剤耐性菌(MDRO: multidrug resistant organism)汚染に対するPPE着脱エラーの影響を評価した(看護師66.4%、医師19.2%)。研究者は、PPE着脱を直接観察し、CDCガイドラインに基づきエラーをコード化した。
結論
5,093の培養部位(医療従事者・患者・環境)の14.7%が標的MDRO陽性だった。患者への接触後に36%のHCWが標的MDROで汚染されており、その3.2%は手、30.4%はPPEの汚染だった。39.2%のHCWが複数の着脱エラーをしており、患者との接触後に衣服を汚染している可能性が高かった(RR:4.69)。手が汚染されていた4名すべてが着脱エラーをしており、PPE着脱中ガウンの前に手袋を外した場合に手の汚染リスクが高まった(RR:11.76)。
評価
40%の看護師・医師にPPE着脱エラーがあった、という衝撃的な直接観察報告である。調査対象者の大多数が過去5年以内にPPEの適切な着脱方法の訓練を受けていた、という。著者らは、訓練法の再評価が必要としている。