病院前救急医療従事者の手指衛生の遵守は不良?
Compliance with hand hygiene in emergency medical services: an international observational study
背景
病院前救急医療従事者の手指衛生(HH)ガイドラインコンプライアンスは。デンマークUniversity of Southern DenmarkのStormらは、フィンランド・スウェーデン・オーストラリア・デンマークの救急車サービスにおいて、2名の観察者がWHOのガイドライン「手指衛生5つのタイミング」(患者との接触前、清潔/無菌操作の前、体液曝露の可能性のある場合、患者との接触後、患者周辺の環境・物品への接触後)の遵守を評価する多施設前向観察研究をおこなった。手袋の使い方や、爪、髪の毛、装飾品といった、基本的パラメータも記録した。
結論
60時間、計87回の患者対応を観察し、1,344件のHHを記録した。HH遵守率は15%で、患者との接触前(3%)・清潔/無菌操作の前(2%)で最も低かった。患者との接触後は19%で、手袋は54%で着用されていた。
評価
ショッキングな結果で、対応が必要となる。著者らは、救急医療従事者の間に自己防衛および手袋への過度の依存の傾向がある、としている。