青少年CKD患者のアドヒアランスをどう評価するか
Does a multimethod approach improve identification of medication nonadherence in adolescents with chronic kidney disease?
背景
医師だけで患者の服薬nonadherenceを評価することは難しく、マルチモードによるアドヒアランス評価が推奨されているが、多方法をいかに統合するかは未だ不詳である。Johns Hopkins UniversityのPruetteらは、高血圧治療を受けているCKDの青少年患者87名を対象として、多くの評価モードの追加組み合わせによりアドヒアランス評価の正確性が改善するかどうかを検討した。患者に加え介護者・医師も参加した。アドヒアランス評価法は5種である;医師レポート・患者レポート・介護者レポート・電子投薬モニタリング(MEMS)・薬局記録(MPR)。これらの一致率を求め、感度・特異度・陽性尤度比・陰性尤度比を算定した。
結論
方法間の一致率は低く(kappas=0.12-0.54)、35から61%の患者がアドヒアランスなしと判定された。医師レポートとMEMSによりアドヒアランスなしと判定された患者は35%を占めたが、感度0.57・特異度0.77であった。医師レポートとMPR<75%を組み合わせると、感度0.90・陰性尤度比0.88を達成できた。
評価
慢性疾患患者の服薬アドヒアランスは本質的であり、小児患者でも重要な問題となる(http://pediatrics.aappublications.org/content/132/4/730)。Johns Hopkinsの周到な研究により、MEMSはあまり有効でないことも示唆された。アドヒアランス評価問題一般に関わる結果である。