産後の骨盤底障害と分娩様式の関連は
Association of Delivery Mode With Pelvic Floor Disorders After Childbirth
背景
出産と産後の骨盤底疾患は関連するが、分娩様式との関連は。Greater Baltimore Medical CenterのBlomquistらは、コミュニティ病院における出産後5~10年後の女性を対象として9年間追跡調査をおこない、分娩様式と産後の骨盤底障害のリスクを検証するコホート研究をおこなった(n=1,528)。分娩様式は、帝王切開、自発的分娩、手術分娩に分類した。一次アウトカムは、ストレス性尿失禁(SUI)・過活動膀胱(OAB)・肛門失禁(AI)・骨盤臓器脱(POP)である。
結論
自発的分娩と比較して帝王切開は、SUI(aHR:0.46)・OAB(0.51)・POP(0.28)低リスクと関連し、鉗子使用等による手術経膣分娩は、AI(1.75)・POP(1.88)高リスクと関連した。
評価
自然に治ると放置されてきた問題で、自分からは受診しない人も多く実態が明らかではなかった。単一施設ではあるが、十分に長期追跡した初の本格調査である。著者らは、この結果は帝王切開を推奨するものではないとしている。